koji/メガネ男の日誌

日々の学び、活動状況を記録します。仕事のことは少なめ。

UXデザイン・インタビューを学ぶ 「モデレーター 聞き出す技術」より

この記事は、毎週ブログを書くコミュニティ、write-blog-every-weekのAdvent Calender16日目の記事です。

昨日は @kz_morita さんで、ブログ執筆とブログ開発のススメ でした。

f:id:kj_man666:20191215154537j:plain

 サービスアイデアの作りこみ力アップのためUXデザインを学んでおりまして、その中で読んだ「モデレーター 聞き出す技術」を読んだ学びをまとめます。

 UX/UXデザインとは
 ユーザーエクスペリエンスの略で、日本語では「ユーザー体験」と訳されています。
 ユーザー体験とは、ユーザーが製品やサービスを利用することによって受ける印象のことを指します。
 そして、そのユーザー体験をデザインすることを「UXデザイン」と言います。主にUXデザインの考え方は、システムや製品などの開発で使われる考え方です。
https://www.internetacademy.jp/it/design/web-design/UX-design-success.html

 この本はUXデザインではなくマーケティングにおけるインタビューの技術の指南書なのですが、UXデザインにも十分役立ちます。

 

モデレーターとは

 本のタイトルにもある「モデレーター」とは、相手に気持ちよくしゃべらせ、本心や真意を引っ張り出すプロ、とのことです。
人は「○○というサービスが欲しいですか?」と聞かれると、(まあ実際は欲しいとは思わないけど・・・)と思いつつも、「あると便利だと思います」と回答してしまう生き物です。
 それを真に受けてサービスを開発すると、びっくりするぐらい売れない、ということにもなりかねません。
 こういった勘違いを防ぐためにも、本心や真意を引き出すのがモデレーターというわけです。

 それでは詳しく本の内容に触れていきたいと思います。

 

技術① 「なぜそれを選んだのですか?」と聞く

「なぜそれ(サービス等)を選んだのですか?」と聞かれて、はてなんでだっけ?と自分自身を振り返って初めて、普段の生活の中で、「選んだ理由」を思い出します。
 書籍の中では、「こんがり焼けるとろけるスライス」というチーズ開発のためのインタビューにおいて、インフォーマントの「いつも長めに焼きたくなって、それで焦げてしまう」という何気ない一言に対し、なぜ長めに焼くのかと質問したことで、「色がついていないと子供が食べてくれない」、「色とは?」と質問したことで「焼き目です」という、開発のポイントとなるキーワードを引き出すことができた事例が紹介されています。

www.meg-snow.com

インフォーマント
文化人類学、人類学や言語学のフィールド調査などで研究者にデータを提供する人。情報提供者。 たとえば方言学者にとっての方言話者など。
服部四郎のフィールドワークや小泉八雲の妻などが有名。
Wikiより https://bit.ly/38GWXoQ

 

技術② 「わかった気」は厳禁

 インタビューになれない初心者のうちは、インフォーマントの回答を聞いても、すぐ次の質問に移ってしまいがちだそうです。
 これはインフォーマントの発言を言葉のとおり受け取ってしまい、先入観で「わかった気」になってしまうからだそうです。
 インフォーマントの発言を聞きつつ、「どうしてこの人はこんなことを言うのか?なぜこんなことを思うのか?」と疑問に思うことが深掘りのポイントだそうです。

 

技術③ 話題を限定せずスタートする

 会話の始め方はとても大事だそうで、筆者はインタビューの冒頭でどんな質問を投げかけるのか神経を使われるそうです。
 「~についてどう思われますか?」と限定して聞くのではなく、漠然と「どうですか?」「それってどんな感じですか?」と質問することで、今までよりももっと相手の感触を引き出すことができるそうです。

f:id:kj_man666:20191215163555j:plain

「それってどんなですか?」
技術④ 相手が話し出したら、一区切りつくまで黙って待つ

 だれでもいきなり自分の普段の生活や今感じていることを、スラスラ言葉にはできないので、最初に当たり障りがない発言があったときは、ひたすら「待つ」ことが、キーワードを引き出すポイントだそうです。
 きになっても、すぐに「えっ?〇〇なんですか?」と突っ込まず、ちょっと我慢してキーワードが出てくるまで「どうして?」と無難に返しましょう。

 

技術⑤ あたかも初めて聞いた時のように大げさに反応しよう

 モデレーターは1日に同じテーマのインタビューを何度も行うそうです。
 そうすると前のインタビューで聞いたのと同じ話を、次のインタビューでも聞くことになります。
 そんな時、「さっきも同じ話を聞いたな…」と思ってしまいますが、「いや、さっきの人とこの人は違う生活を送っているのだから、もしかしたら違う話がひろがっていくかも!」という意識をもって、あたかも初めて聞いたときのように「そうなんだ!」と明るい声で大げさに反応するとよいそうです。

f:id:kj_man666:20191215163702j:plain

「そうなんだ!」
技術⑥ 1つのことを100の視点で考えよう 事前のマインドマップ作製がカギ

 例えば「ガム」について、立場、年齢、性別が違えば、イメージすることも、出てくるワードも変わってしまいます。
 それは視点が違うからです。
 モデレーターは自分1人で、100の視点をまとめたマインドマップを作れるくらいのイメージを広げておく必要があるとのことです。
 筆者は調査課題のテーマとなる商品やサービスをマインドマップの真ん中に書いて、底から連想するものを「もう出ない!」という限界まで考え抜くそうです。
 このような準備をし、様々なワードを思い浮かべることで多様な視点を持つことができるそうです。

 

まとめ
  1. 「なぜそれを選んだのですか?」と聞く
  2. 「わかった気」は厳禁
  3.  話題を限定せずスタートし、漠然と「どうですか?」と質問する
  4.  相手が話し出したら、一区切りつくまで待つ
  5.  あたかも初めて聞いた時のように大げさに反応しよう
  6.  1つのことを100の視点で考えよう 事前のマインドマップ作製がカギ

 こういったインタビューは、知識を得ただけで身につくものではなく、知識をもとに実践を積んで繰り返すことで身に着けるもので、スポーツに似ています。
 インタビューによって、独りよがりな思い込みからニーズのないサービスを作らないようにするだけでなく、どうせなら深いニーズを織り出して素晴らしいサービスを作れるよう、正しいインタビュー技術を身につけたいと思います。

 

 以上になります、最後までお読みいただきありがとうございました。