UXデザインセミナー 補講 プロトタイピング・インタビュー実習
昨日はUXデザインセミナーの補講、プロトタイピングとインタビュー実習に参加しておりました。
その学びをまとめたいと思います。
プロトタイピング実習
パーフェクトウォレット(完璧な財布)という、スタンフォード大学のDスクールで実際にやっているワークショップを行いました。
Dスクール
D-school(デザインスクール)は機械工学、コンピュータサイエンス、ビジネス、法律、文学など様々な選考の学生(Graduate向けのものが多いがUndergradの学生がとれるものもある)・教職員が集まり、デザイン思考を学びながら、分野を越えてイノベーションを生み出していく力を身につけていく、スタンフォード大学内の学科横断型プログラムです。
http://beyondthenexus.com/stanford_university_d-school/
まず自分にとっての理想の財布をデザイン。
次にペアのお相手の財布体験をインタビューで深堀して、お相手の理想の財布をデザインして、お相手に感触を伺ってみる、という内容でした。
SF好き、テクノロジー好きのせいか、最初に考えた自分の理想の財布は、
でした。
とても忘れっぽいので、部屋を出る⇒サイフ忘れたことに気づく⇒部屋に戻る、をやりかねないことから、常に身に着けられるサイフが思い浮かびました。
また、誰かにお金をあげるとき、腕を重ね合わせてチャージ、とか少年漫画っぽくていいなぁとか思いました。
ペアの方のインタビューの結果、賢くポイントが付くお店を選んでいたり、店員さんや後ろに並んでいる方をお待たせしない電子決済を利用しているとの発言を踏まえ、作ったツールが
またガジェット系笑。
真ん中上が決済端末のイメージで、このメガネでじっと見つめると決済できます。
じっと見つめる=決済だと、うっかり決済されたり、泥棒もできてしまうので一考の余地がありますが、アイトラッキングできるメガネあるし、技術的にはできるんじゃないかなーと思っております。
右下がメガネを通して見える情報。ポイントやカードが使えるかどうか、今何ポイントあるか等の情報が表示されます。
「見つめて決済」はかなりご好評をいただきましたので、何よりでした!
お店を見たら食べログの評価とかが表示されるとさらによさげという意見もいただきました。
インタビュー実習
「健康管理」をテーマに、講師の井登さんが演じる「気難しい神経質な」イノボリさん(講師の井登さんとは別人だそうです笑)を対象として、インタビューを行いました。
インタビュー設計も、講師の井登さんの時系列や聞きやすい順に並べるとよい、とのアドバイスや、連続セミナーを通じてUXデザインの流れを経験しているメンバーが多いこともあり、比較的スムーズに進みました。
「気難しい神経質な」イノボリさん(講師役の井登さんとは別人)は、「~できなくて落ち込むんですよね・・。」というネガティブ発言が多く、インタビューしにくいキャラがさく裂しますが、そんな状況でもいかにアイスブレイクをするか、という貴重な学びになりました。
ネガティブな発言が多い人もそうですが、関係ない話題を話し出すおしゃべりな人、やや虚言癖がある人、評論癖がある人など、癖のあるインフォーマントと相対したときも、適切に対応し、隠されたニーズを聞き出せるようになりたいものです。
インフォーマント
文化人類学、人類学や言語学のフィールド調査などで研究者にデータを提供する人。情報提供者。 たとえば方言学者にとっての方言話者など。
服部四郎のフィールドワークや小泉八雲の妻などが有名。
Wikiより https://bit.ly/38GWXoQ
また振り返りでは、
- ネガティブな人に対し、共感したほうがいいのか、否定して励ましたほうがいいのか見定めて、本人が望んでいるアクションをとり、信頼を構築するとよい
- アイスブレイクは早い段階でやる方がよい。
アイスブレイクは軽い冗談や自己紹介、共感する話題等の和ませる会話だけでなく、相手を気遣うフォローのような信頼の構築も含まれる。 - 相手が黙ってしまったときは、答えが思いつかなくて困っているてときもあれば、答えを出そうとしている時もあるので、話題を変えて相手が困らないようにフォローした方がいい時もあれば、待って答えを引き出したほうが深い回答を得られるときもあるので、難しい。
- 身振り手振りが多いのは相手が不安だから。相手に安心してもらえる雰囲気作りを心がけよう。
- 決め打ち質問は、相手が乗っかってきて無思考になってしまい、浅い回答しか得られなくなってしまうため避けた方が良い。
- タイムコントロールする人は、場の雰囲気を壊さないようなサインを決めておくとよい。
- メインインタビュアーは、流れに身を任せるくらいでよい。事前に考えてきた質問のうち大部分を放棄して、インフォーマントが乗ってきた質問に集中することもあるそう。その質問で、他の質問で聞きたかったことも聞けることが多い。
- インタビューが終わったら、記憶があるうちに書き出すとよい。その時思い出せないことは、さほど意味がない内容であることが多い。
- 今回の20分というインタビュー時間は長い。インタビューアーは相手の回答に「ダイブ」するくらいの姿勢がよい。
- 設計した質問リストは、インフォーマントの気持ちをそぐので、インタビュー室に持ち込まない方がよい。
今回のセミナーで得たもの
このサービスは売れる!いける!等の人の認知はバイアスが必ずかかるという確信。
インタビューで相手も気づいていない意図を深堀するような「イイ」インタビューができるようになるには、実践あるのみ。
(懇親会にて)UXデザインのような、新しい概念を組織に取り込むのはすごく大変。
協力者や賛同者がいればその組織で頑張るもよし、ダメなら場所を変えるか諦めるか。
いずれも行動あるべし。
以上になります、最後までお読みいただきありがとうございました。